医学生になったわけ    M.T.さんの場合



No.1 医学生になったわけ

現在医学部医学科三年生。
初めて自分の進路として医学部を意識したのは高校に上がろうという時でした。思春期も半ば、きっかけは部活動中のケガでした。

“単なる骨折”と、思いながら行った病院で、手術が必要といわれ、親に電話して今すぐ入院するように言われました。「自分はどうなるのだろう?大丈夫なのだろうか…。」と、とても不安になったことを覚えています。

手術後、全身麻酔から覚めると担当の医師の方と母が目の前にいて、「終わったよ。」と言われたら涙が出てきました。怖かった、不安だったけれど、担当の医師の方は優しかった。「傷が残らないようにキレイに治そうね。」といってくれた先生の笑顔がとても印象的で、「この人なら大丈夫。」と、思わせるところのある方でした。我ながら単純だとは思いますが、自分の進路を考え始めたこの頃、「こういう大人になりたいな…。」と思ったのでした。

この事がきかっけで何となく医学部に進みたいなぁ、という思いは有りましたが、高校は部活動と睡眠に明け暮れ、勉強は申し訳程度。いざ受験勉強の時期になっても合格するためには何を勉強する必要があるのかすら分からず、また、医学部に進むかどうかすらも決めかねていました。だから事実、高校三年の受験期はほとんど勉強に手がつかないと言って良い状態でした。

結局、センター試験直前の時期まで進路は決まらず、母に「将来どうしたいのかはっきりしなさい」といわれ、今思い返すと無意識にですが“職業”ではなく"どんな大人になりたいか"を考えました。

それまでに自分が将来就きたい仕事として考えたことがあったものには、保育士や救急救命士があり、パティシエやパン屋さんに憧れた時期もありました。それでも進路を決める高校三年生までに“こんな大人になりたい”と思わされた人はたった二人で、いずれも医師の方でした。両人共に自分が体調の悪い時、不安な時、単に医療面で助けてくれるだけでなく、その不安すらも取り除いてくれる“笑顔”の持ち主でした。ここに書いたのがすべてではありませんが、主にこういった経緯で最終的には医師になろう、と決めました。そして、それは同時に浪人生になることでもありましたが、もう迷いはありませんでした。一年間、浪人生活をおくって受けた試験ではどの医学部からも合格をもらうことは出来ませんでした。大学生活を送る今では、「もう一度、浪人生活をやりたいか」と聞かれたら、二度とやりたいものではないですが、当時は「一年間かけたのにこのまま終われない」と思い、家族・親戚の支えもあって、二年目の浪人生をやらせてもらいました。二年目で無事に医学部入学が決まり、ようやくスタート地点につけたのでした。





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