病院内の自殺事故と医療スタッフ ←NEW!!



病院内の自殺事故と医療スタッフ

いろんなこころの、「自殺の問題」の中の、「病院内の自殺事故」に病院の中での自殺事故の実態とその背景が解説されていますが、当時、事故の調査が行われた際には自殺事故に直面した医療スタッフのケアについても調査がなされています。

 結果を言ってしまうと、一般病院・総合病院で生じた自殺事故の後に、スタッフのケアを実施したという病院は17%だけで、しかもそのほとんどは、上司からの声掛けといった一般的なものでした(声掛けは、ふつう、道義的にもしますよね。これをもって「ケア」をしましたというのもちょっと…)。

 自殺で亡くなる本人とは別に、医療者にとって自殺事故の多くは不意で突然の出来事ですが、病を癒すことを使命とする医療者にとって患者の自殺は、一人の人間としてはもちろんのこと、プロフェッショナルとしても受け容れがたいものです。当事者となった医療者(患者の担当だった;事故直前に言葉を交わした;自殺を目撃した;事故後の対応にあたったなど)は、複雑な思いを自分の中に抱え込んでしまいます。周囲も、自殺の話題に極力触れまいとする傾向があります。衝撃的な出来事の後に生じる心理的反応を悲嘆反応と言いますが、遺された医療者には、その人の立場や故人との関係に応じてさまざまな反応が生じます。直後に、感情がマヒしてしまったり、自分を責めたり、後悔の念に苛まれたり、あるいは物凄い不安に囚われたり、理不尽な怒りの気持ちがこみ上げてきたり、あるいは諦念の情や虚無感に支配されてしまったりすることもあります。

 それでも多くの場合、医療者のこうした反応は時間の経過とともにやわらぐものですが、しかし、悲嘆反応は時に遷延・複雑化し、業務や日常生活に大きな影響を与え、医療者を立ち直れなくしてしまうこともあります。スタッフの中には、「メンタルヘルス苦手」のまま仕事をしていく人もいますし、事故を契機に離職をしてしまう人もあります。果たして、これでよいのでしょうか?まるで事故のことを仕方のないこととして済ませてしまったり、スタッフの傷つきを放置してしまっているみたいです。




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