心理カウンセリングって何だろう?


学生A:最近、TVや本で、「カウンセリング」ってことばを良くみかけるんですが、具体的にはどんなことをしているんですか?

臨床心理士O:カウンセリングでは、相談者の方としっかりとコミュニケーションをとりながら、相談者の方が、抱えている問題や症状を、その人の考え方、行動、気持ちなどの変化によって、解決・改善していくことをサポートしていきます。

学生A:うーん…例えば、どんなことを話すんですか?

臨床心理士O:問題や症状は人さまざまだけれども、対人関係、職場や学校での悩み、自分の性格や生き方など、テーマは幅広いです。

学生A:でも、それって、友達とか彼とか、親じゃだめなんですか?私は、へこんだ時、友達に聞いてもらうようにしてるんですけど…。

臨床心理士O:確かに、何か悩みや困ったことがある時、誰かに相談してみる・話してみるということは大事なことで、話す中ですっきりしたり、「さあ、また頑張るか」という気持ちになれたりしますよね。けど、自分の内面の奥底、あまり気軽に人には話したくない、「こんなことを言ったらどう思われるだろう?」って考えてしまうような悩みも、時にはありませんか?そうした話は、専門家の方が話しやすいと感じる人も多いみたい。

学生A:確かに、人には中々言いにくくて、一人で悩んじゃうときもありますね。そういう時に限って、どんどん、どうすればいいか良く分からなくなっちゃうこともあります。

臨床心理士O:そんな時、ゆっくり時間をかけて、話をすることで、問題や気持ちを整理したり、違った見方をしてみることで問題解決への糸口を探すお手伝いができればなと考えています。

学生A:なんだか、カウンセリングって「こうすればいいよ」って、カウンセラ―からアドバイスをもらうのかなって思ってたんですけど、それだけじゃないんですね。でも…、じゃぁ実際にカウンセリングを受けようと思ったら、どこへ行けばいいんですか?それに、結構高かったりもするんでしょうか…。

臨床心理士O:カウンセリング料金は、時間・場所によってさまざまなんです。それと、無料の相談機関もあります。例えば、各都道府県や地域の精神保健センター、児童相談所、教育相談所、女性相談センターなどの公立機関と、企業や大学・学校内に設置された保健室や相談室などがそうです。これらは、それぞれの地域や企業、学校に所属している人に限って行っている場合が多いので、無料の場合が多いです。ほかに、有料の機関としては、個人が経営しているクリニックや相談室、病院内にある心理相談室などです。今挙げた機関では、臨床心理士以外の方が相談業務にあたっている場合もありますが、いずれも専門職の方が対応されていることが一般的です。

学生A:そんなに、色々なところで受けられるんですね。こんなにあるなんて知らなかった…。ちなみに、有料だと、いくらですか?

臨床心理士O:一般的な面接料は、1時間前後で3,000円〜10,000円、夫婦や家族カウンセリングだと8,000円〜15,000円くらいのところが多いでしょうか。その多くは自費になるけれども、医療機関であれば保険が利用できるところもあります。

学生A:わぁ!随分高いものもあるみたいだけど…やっぱり面接料が高いほど効果も高いんですか?

臨床心理士O:うーん・・・それは一概にはそうとも言えないと思います。それよりも、カウンセリングの担当機関や担当者が、自分自身が相談したい内容を対象としているかどうかを確認しておくことが大切かなと思います。いずれの場合も、それぞれの場には、相談・カウンセリングに関する案内が用意されていて、初回は電話予約のところも多いので、そこで確認することもできます。

学生A:なるほど・・・それぞれ、得意な分野があるみたいですね。でも、そもそも、「臨床心理士」さんって、色々な場所で働かれているみたいですけど、どんな資格なんですか?

臨床心理士O:「臨床心理士」は、文部科学省の認可を受けて財団法人日本臨床心理士資格認定協会が資格認定を行っている、こころの専門家に関する資格の一つです。指定された大学院でトレーニングを受け、資格試験に合格するなど基準を満たした後、取得することができます。現在、臨床心理士は教育、医療、司法、福祉、産業など様々な分野で働いていて、その援助方法にもさまざまな特色があります。利用される方々には、そうした身の回りの資源を上手に活用していただけたらなと思いますので、これからも、折に触れて、いろいろとお話していきますね。

*補足:「カウンセリング」と「心理療法」の違い
カウンセリングとよく似た意味合いで心理用法という言葉があります。しかし、両者は、厳密には違った起源を持っています。カウンセリングは、職業指導を起源とし、教育の場での心理的な援助活動を表す言葉として使われていました。なので、人々の成長の促進や開発的援助といった意味合いが強調され、専門性よりも一般性や日常性を重視する場合に用いられることが多い言葉です。もう一つの、心理療法とは、医学または臨床心理学を起源とし、特定の学派の理論や技法に依拠して、より専門性が強調される場合に用いられることが多い言葉です。
けれども、実際の臨床現場では、両者はほぼ互換的に用いられることも多いですので、本稿では、カウンセリングと心理療法を敢えて区別せず、幅広い意味合いを持ったカウンセリングという言葉でまとめています。




心理カウンセリングを受ける

学生A:Oさん、カウンセリングを受けることができる場所やかかる費用なんかは分かったのですが、実際には、カウンセリングはどんな風に始まることが多いんですか?

臨床心理士O:確かに、気になるところですよね。実際には、相談者の方お一人で来談する場合だけでなく、心配する家族に付き添われて来談する場合もあれば、家族全員でカウンセリングを受けたいという場合もあります。

学生A:でもそれだと、本当はカウンセリングを受けたくないのに、無理やり連れてこられたっていう人もいそうですね…そういった時は、カウンセリングをする意味ってあるんでしょうか?

臨床心理士O:鋭い質問ですね。カウンセリングには、ご本人の意思(モチベーション)が大きく関わってきますので、無理やり連れてくることは、必ずしも功を奏しません。けれども、ご家族やご本人が、どんなことで悩んでいるかや、これまでの経緯などについてお話をうかがう中で、まずは、その状況においてできることを一緒に考え、探していくという場合もあります。そして、ご相談内容や症状によっては、より問題解決に適している他の専門機関をご紹介することもあります。

学生A:カウンセリングがあう場合もあれば、そうでない場合もあるってことですか?

臨床心理士O:そうですね…人それぞれ抱えている問題や悩みは違いますので、カウンセリングを受ければ必ずしも問題が解決できるというわけではないです。症状や状況によっては、カウンセリングを受けるよりも、まずはお薬をきちんと飲んで症状を安定させることを目指したほうがいいときや、日常生活が安定して過ごせるようリハビリテーションを行ったほうがいいときもあります。

学生A:病気の種類や、症状によっては、自分の悩みについて語っていくことが、むしろ良くないときもあるってことですか。

臨床心理士O:そうですね。それに、ご相談内容や症状によっては、お薬の服用とカウンセリングを併用しながら進んでいくこともあります。

学生A:えっ、でも、カウンセリングではお薬の処方はされませんよね?

臨床心理士O:そうですね。心理カウンセラーは医師ではないので、お薬を処方することはできません。主治医の先生方が行う治療と協働しながらカウンセリングを進めていくこととなります。なので、現在、すでに医療機関にかかっておられる場合は、まずは、通院と一緒に心理カウンセリングを受けたいという希望を担当の医師にご相談してみることをお勧めします。



保健師とはどのような資格なのでしょうか?



学生T:今日、健康診断の証明書の手続きのことで大学の保健管理センターに行ったら、保健師さんが対応してくださったんですけど、そういえば、そもそも保健師さんってどういう職種なんですか?

保健師H:保健師という資格は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格なのよ。

学生T:なんとなく、看護師さんと近いイメージがあるんですけど、どう違うんですか?

保健師H:保健師になるためには、看護師国家試験に合格するか、または看護師国家試験受験資格を持っていて、さらに保健師養成機関を卒業したうえで、保健師国家試験に合格しなければならないの。

学生T:へえ、じゃあ、保健師になるのはたいへんなことなんですね。

保健師H:ほとんどが看護師教育の上に積み上げる形で教育が行われているけれど、看護大学では看護師と保健師のカリキュラムを統合されていて、卒業と同時に、看護師と保健師の両方の国家試験受験資格が与えられるのよ。

学生T:なるほど。今までなんとなくしか知らなかったのですが、保健師さんのお仕事について、もっと詳しく知りたくなってきました!

保健師H:それでは、もっと詳しく保健師について教えてあげましょう!





保健師はどのようなところで、
どのような仕事をしているのですか?


保健師H:まず、実は様々な現場で保健師がはたらいているのは知っているかしら。

学生T:病院とかですか?

保健師H:う〜ん…、そうね。いないとは言わないけど…。やはり、看護職との違いを少し説明する必要があるわね。
簡単に言えば、看護師は病院や診療所で病気や怪我をした人が治るまでの手伝いをするでしょ?一方で、病気や怪我にならないためにお仕事をするのが保健師なの。

保健師は、地域活動や健康教育・保健指導などを通じて病気や怪我の予防、健康増進などを行う地域看護の専門職なのよ。

学生T:そうなんですね、公衆衛生に精通した専門職なんですね。じゃあ、ひょっとして市役所や区役所にも保健師さんがいるんじゃ…。

保健師H:その通り。「行政保健師」と言われ、全国の行政に配置されています。また、「学校保健師」、「産業保健師」などもいます。

学生T:みなさん、どんなことをしているんですか?全部教えてください!!

保健師H:まあまあ、順番にお話しましょう。

まず、「行政保健師」というのは、公務員採用試験に合格した公務員でもあり、都道府県や市町村の保健センターや役所などで、地域住民の病気・怪我の予防活動、健康増進活動、病人のいる家庭へのアドバイスなどを行います。また乳幼児や妊婦、成人、高齢者、障害者など幅広い年齢層を対象とし、地域住民への身近な保健・福祉サービスを担っています。

学生T:行政保健師は福祉とも関係が深いのですね…。
学校保健師や産業保健師は普段どんな仕事をしているのですか?

保健師H:「学校保健師」は、普段は、やはり学校の教職員や生徒の健康管理、つまり予防的活動や健康増進活動を行っています。勿論、怪我をした学生さんや体調を崩してしまった方のケアもしますよ。

「産業保健師」は、企業や組織・団体で働く保健師のことを言います。働く人の健康管理に関する行事や活動を企画し、実践活動を行います。このような職場で仕事をする場合、産業医や人事労務担当者といった人達と連携して仕事をします。

学生T:人事労務?ですか?

保健師H:そう。健康管理は、働く人の労務管理上の重要な要素ですからね。ふつう、きちんとした組織では人事労務担当者がしっかり健康管理に関与しています。
産業保健師の最近の傾向として、企業の健康管理センターに勤務したり、色々な企業の産業保健師の業務を担うコールセンターにおいて仕事もしたりするケースも多くなっています。

学生T:色々な保健師さんがいて、いろいろなお仕事があるんですね。何となくイメージはできてきました!もっと詳しくお仕事の内容を教えてほしいです!





保健師は自分の専門のことをずっとやっていくのですか?


学生T:今までのお話で、保健師さんにはいろいろなお仕事があることが分かってきました。

保健師H:そう。高齢者専門、母子専門などなど、いろいろな領域・分野があるのよ。

学生T:それぞれの保健師さんは、自分の専門を持って、それをずっとやっていくのですか?

保健師H:いいえ。行政で働く保健師は、一般的には数年で部署を異動するので、乳幼児、妊産婦、成人、高齢者、障害者などを対象としたそれぞれ仕事を、その都度担当していくこととなるの。

学生T:へえ。じゃあ、私の住む横浜市で働く保健師さんも、何年もかけて、いろんな分野でいろんな人を見ていくんですね。

保健師H:そうよ。横浜市では、組織が対象者によって分かれているから、高齢者支援担当、こども家庭支援担当というように異動していくのよ。だからひとつの分野でずっと働くということはないの。

学生T:全ての地域が、横浜市みたいなんですか?

保健師H:いいえ、市町村によっては地域を担当し、その地域に住む全ての人を対象として活動することもあるわ。

学生T:そうなんですね。保健師さんのお仕事というか、カバーする領域って、とっても幅が広いのですね!

(つづく)


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